複数のドキュメントから成る巨大なYAMLファイルを、1ドキュメントずつ読み込んで処理する方法。
まずテスト用に巨大なYAMLファイルを作る。 以下のスクリプトをgenerate_yaml.rb
として保存。
require 'yaml'
require 'securerandom'
puts YAML.dump_stream( *(0..1024 * 10).map{ SecureRandom.hex(512) } )
このプログラムは1024byteの文字列を含むドキュメントを10240個連結して出力する。
以下のように実行。 約10MBのYAMLファイルができた。
$ ruby generate_yaml.rb > huge.yaml
$ du -h huge.yaml
11M huge.yaml
こいつを少ないメモリで読み込んで処理したいとする。
複数のドキュメントから成るYAMLファイルを効率的に読み込むにはYAML.load_stream
を使う。 以下のスクリプトをload_stream.rb
として保存。 このスクリプトは標準入力から全ドキュメントを順番に読み込み出力するもの。
require 'yaml'
YAML.load_stream(STDIN){|doc|
p doc
}
このスクリプトに先ほど作った巨大なYAMLファイルを読み込んで処理させる。 timeでメモリ使用量を測定する方法を使用してメモリ使用量を計る。 出力は無駄なので/dev/null
へリダイレクトする。
$ /usr/bin/time -f "%M" ruby load_stream.rb < huge.yaml > /dev/null
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使用メモリはRubyインタプリタを含めてわずか12MBだった。 このスクリプト自体はほとんどメモリを使わずに巨大なYAMLが処理できていることがわかる。
ちなみにYAML.load_documents
はメモリに全ドキュメントを読み込んでしまう。 比較用にload_documents.rb
として以下を保存。 読み込みに使うメソッドが違う以外は同じスクリプトである。
require 'yaml'
YAML.load_documents(STDIN){|doc|
p doc
}
結果は以下のとおり。 35MBほどメモリを使用していることがわかる。
$ /usr/bin/time -f "%M" ruby load_documents.rb < huge.yaml > /dev/null
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