Gnome Network Manager等を使わずに、自力でwpa_supplicant
コマンドを使って、WPA2の無線LANに接続する方法を紹介する。
検証した環境はDebina Jessie。wpa_supplicant
コマンドはwpasupplicant
パッケージに含まれているので、事前にインストールしておく。
apt-get install wpasupplicant
以下の手順は前提として有線LANのeth0
と無線LANのwlan0
のインタフェースがある環境を想定している。
1. 有線LANを無効化する
無線LANと有線LANを併用したい場合はこのステップを飛ばして良い。
複数のインタフェースが有効だとルーティングで混乱しがちである。このため無線LANを有効にする前に、有線LANを無効にしておくことをおすすめする。
ifconfig eth0 down
2. 無線LANを無効化する
前の設定が残っていて以降の設定の妨げになる場合があるので、いったん無線LANを無効化する。
ifconfig wlan0 down
3. 無線LANを有効化する
そのまんまである。さきほど無効化した無線LANを有効化する。
ifconfig wlan0 up
4. ネットワークに接続する
wpa_supplicant
を実行して、無線LANで目的のネットワークに接続する。接続するネットワークの設定はここでは/home/user/wpa_supplicant.conf
に書かれているものとする。wpa_supplicant
コマンドは、オプションと引数の間にスペースが不要なことに注意。
wpa_supplicant -Dwext -iwlan0 -c/home/user/wpa_supplicant.conf
/home/user/wpa_supplicant.conf
の設定例は以下の内容である。ssid=
とpsk=
の行は、自分のSSIDとパスワードに置き換える。
ctrl_interface=/var/run/wpa_supplicant
ap_scan=1
network={
ssid="your-ssid"
key_mgmt=WPA-PSK
proto=WPA WPA2
pairwise=CCMP TKIP
group=CCMP TKIP WEP104 WEP40
psk="your-pass"
}
5. DHCPでIPアドレスを割り当てる
DHCPでIPアドレスを取得する場合はdhclient
コマンドを使う。静的にIPを割り当てている場合は、このステップは不要だ。
dhclient wlan0
補注
ネットワークのスキャン
ネットワークをスキャンして一覧するにはiwlist
コマンドを使う。iwlist
コマンドはwireless-tools
パッケージに含まれている。
iwlist wlan0 scan
接続できない場合
上記の手順を踏んでも、何故かネットワークに接続できない環境を見たことがある。
理由は不明なのだが、ステップ2.とステップ3.の間で、以下のiwconfig
コマンドを実行し、SSIDとダミーのWEPキーを指定してやるとうまく接続できた。試してみる価値があると思う。
iwconfig wlan0 essid "your-ssid"
iwconfig wlan0 key s:your-pass