LinuxをホストOSとして仮想化を行うには、KVM(Kernel-based Virtual Machine)が手軽に利用できる。 KVMの利用にはIntel-VTやAMD-VをサポートしたCPUで、これらの仮想化支援機能がBIOSで有効になっている必要がある。
KVMのインストール
kvmとbridge-utilsパッケージをインストールする。
apt-get install kvm bridge-utils
イメージファイルの作成
イメージファイルはqemu-imgコマンドで作成する。 kvm-imgコマンドも使えるが、qemu-imgを使うメッセージが出るので、qemu-imgの方が良い模様。
qemu-img create -f qcow2 centos64.img 8G
上記コマンドではcentos64.imgというファイル名でqcow2の8GBのイメージファイルを作成している。 qcow2は利用した実際に利用した分しか容量を消費しない。
仮想マシンにゲストOSをインストール
仮想マシンの起動はkvmコマンドで行う。
kvm -hda centos64.img -cdrom CentOS-6.4-x86_64-netinstall.iso -boot d -m 1024 -monitor stdio
各オプションの意味は以下の通り。詳しくはman kvmを参照。
- -hda centos64.img – 先ほど作成したcetnos64.imgファイルを、ハードディスク0として使用する。
- -cdrom CentOS-6.4-x86_64-netinstall.iso – CentOS-6.4-x86_64-netinstall.iso(ゲストOSのインストールCDイメージファイル)をCD-ROMとして使用する。
- -boot d – dは最初のCD-ROMドライブからブートするオプション。manによると-boot drives形式の指定は古く、将来削除されると注意書きがある。
- -m 1024 – 仮想マシンに1024MBのメモリを割り当てる。
- -monitor stdio – 非グラフィックモードで起動。
仮想マシンのネットワークは、10.0.2.2がゲートウェイ、10.0.2.3がネームサーバの仮想ネットワークで、ゲストOSのホストは10.0.2.xになる(DHCPが使える)。 ゲストOSからホストOSのネットワークにアクセスできるが、逆にはアクセスできない。
なおkvmのウィンドウにフォーカスが当てると、マウスとキーボードの入力がゲストOSに取られてしまう。 フォーカスを外したい場合は、Ctrl + AltでホストOSに戻れる。
仮想マシンのゲストOSを起動
インストール済みのゲストOSを起動するだけなら以下で良い。
kvm -hda centos64.img -m 1024 -monitor stdio
参考:
知って見るみるKVM(2)