音楽を楽しむならもはやリッピングが欠かせない。私はこれまでLinuxでCDをリッピングするのにgripを使っていたが、開発が停滞しsqueeze以降ではdebianのリポジトリには含まれなくなってしまった。代わりのツールを探していたらabcdeというソフトがとても手に馴染んだので紹介する。
abcdeはコマンドラインで動作するリッピングツールだが、非常にパワフルだ。なおabcdeといういいかげんなネーミングは、A Better CD Encoderの頭文字をとったものらしい。
debianではaptでインストールできる。
apt-get install abcde
abcdeには多数のオプションがあるが、単にリッピングするだけならCDをドライブに挿入し、abcdeコマンドを実行すれば良い。
abcde
途中、対話的にCDDBのデータを編集するか、複数アーティストによるCDか聞かれる。普通はどちらもnを入力してやれば良いだろう。
Grabbing entire CD - tracks: 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
Retrieving 1 CDDB match...done.
---- Jazztronik / 七色 ----
1: 七色
2: 鳳凰 - PHOENIX
3: Arabesque
4: Magic Lady (Interlude)
5: Don't hold in your tears
6: Nana
7: Sky Fallin'
8: Someday (Etude For The Right)
9: 影
10: SAMURAI - 侍 (Album Version)
11: Walk into the Memory
Edit selected CDDB data? [y/n] (n): n Is the CD multi-artist [y/N]? n
あとは自動的にCDをリッピングし、CDのタイトルのディレクトリ以下に、CDDBから曲名やアーティストの情報をタグ付けしたoggファイルを出力してくれる。
オプションで出力形式をmp3にすることや、高いビットレートでエンコードするように指示することもできる。以下はその例。
abcde -o mp3 -q high
他にも多数のオプションがあり、/etc/abcde.confや~/.abcde.confに従って規定の設定でエンコードさせることもできる。詳しくはmanを参照して自分の使い方を見つけよう。
man abcde